熊本県宇城市などで震度7を観測した28日の地震を受け、被災地では29日も厳しい暑さの中で避難生活が続いています。10年前の熊本地震で被災した経験から、外国人のための防災を考える団体「KEEP(キープ)」を立ち上げた英国出身の熊本大特任助教、アンドリュー・ミッチェルさん(41)も、今回の激しい揺れに見舞われました。
ミッチェルさんは被災直後、団体のフェイスブックで英語により「熊本で大きな地震がありました」と発信しました。室内では物が散乱するほどのひどい揺れだったとされ、ミッチェルさんは「情報を集め、フェイスブックのほか、留学生らでつくるラインのグループでも注意を呼びかける」と伝えています。国内に住む外国人やインバウンド(訪日客)が増える中、言語の壁や習慣の違いを踏まえた防災のあり方が、改めて課題になっています。
被災地の熊本県は29日、うだるような暑さに見舞われました。余震への不安から車中泊を選んだ被災者の間では、熱中症や体調悪化を心配する声が多く聞かれています。現時点では、ライフラインや交通網の寸断も続いており、被災者は過酷な環境に置かれています。
同県宇城市の「道の駅 うき」には、29日午後3時頃、約50台の車が駐車していました。中学2年生の息子と一緒にいた同市の派遣社員(47)は、再び地震が起きた時に人の目が届かない自宅にいるのは怖いとして、車中泊を選びました。ガソリンが残りわずかなため、エアコンを使わず、窓を開けて暑さをしのいでいます。ロードサービスにガソリンの給油を頼んだものの、いつ来るか分からず、支援を待つしかない状況です。
本来は避難所として使われる予定だった同市の「防災拠点センター」は、揺れで天井が崩れたため、駐車スペースが開放されました。夫婦で車中泊をした同市の主婦(79)は、発生が4月だった10年前の熊本地震とは違い、今回は暑く、足もつっているとつらさを訴えています。市役所近くの避難所では、毛布やシートの上で横になり、疲れた表情を見せる市民の姿が目立ちました。
自宅の瓦が落ちるなどした避難者(87)は、一人暮らしのため避難所の存在はありがたい一方で、慣れない環境による疲れを感じているといいます。持病もあり、体調が悪化しないか心配する様子も伝えています。
復旧の見通しも立っていません。九州電力は29日午後8時現在、県内の約2万7000戸で停電が続いていると発表しました。九州ガスは同5時現在、八代市内の8892戸で都市ガスの供給を停止しています。
今回の地震では、外国人への情報発信、暑さの中での避難、ライフラインの復旧という複数の課題が同時に浮かび上がっています。現時点では、被災者の体調管理と生活支援をどう確保するかが大きな焦点となっています。
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