NECは7月28日、製品ライフサイクル管理ソフトウェア「Obbligato(オブリガート)」を刷新し、「Obbligato R5」として10月から提供すると発表した。製品構成表(BOM)や工程表(BOP)など、ものづくりの基準情報を「ものづくりマスター」として中核に据え、AIの活用や環境情報との連携を強化する。

Obbligatoは、製品構成表(BOM)や工程表(BOP)を中心に、製品の企画、設計、生産、保守などで発生する技術情報を統合管理するPLMソフトウェアだ。新バージョンでは、設計から製造、サービス、環境までをつなぐ基準情報をObbligatoに一元化し、各工程の情報が循環する「ものづくりマスター基盤」へ進化させる。

この基盤では、エンジニアリングチェーン、サプライチェーン、プロダクションチェーン、サービスチェーン、サステナブルチェーンまで、ものづくりに関わる5つのチェーンの業務とデータを連携させる。基準情報を一元化することで、5つのチェーン全体のデータを正確に統制し、部門をまたいだ情報活用を進める狙いがある。

ERP、製造実行システム(MES)、IoTなどの基幹システムや生産現場の実績データとも接続する。これにより、設計段階の計画と生産現場の実績との差を可視化・分析できるようにし、工程を横断してデータを循環させる。現場改善にとどまらず、全社レベルでの継続的な経営改善を支え、経営判断の精度とスピードの向上につなげるとしている。

システム基盤には、新たな基盤アーキテクチャを採用した。大規模な改修作業を行うことなく最新の状態で利用できる、バージョンアップ不要の基盤を実現するという。システム更新が巨大なプロジェクトになることを防ぎ、新機能の追加や周辺システムとの連携も進めやすくする。

業務機能は年に数回のサイクルで順次追加される。利用企業は、自社の状況に応じて必要な機能を随時追加・拡張できる。市場の多様なニーズに対応する150%BOMや最新のAI機能なども、運用を止めずに柔軟に取り込めるとしている。市場の変化、法規制、技術進化への対応を速めるデータ基盤としての位置づけだ。

環境対応では、NECが2026年秋から提供を予定しているCMP(Chemical and Circular Management Platform)アプリケーションとの連携を打ち出した。サプライチェーン全体の含有化学物質情報を一元管理し、製品のトレーサビリティ確保や環境法規制対応の効率化につなげる。リスクの低減や、環境対応における競争力強化も見込む。

対象となる企業は、化学品メーカーから部品・製品メーカーまで幅広い。設計、製造、サービス、環境までの工程データに対応することで、ものづくりに関わる多様な企業での利用を想定している。

ライセンスはサブスクリプション方式となる。利用料金は1000ユーザーの場合、月額580万円(税別)からで、初期設定、カスタマイズ、システム構築の費用は別途必要となる。サブスクリプション方式により、初期投資の抑制、IT投資の平準化、運用負荷の低減も図る。

NECは今後3年間で100社への販売を目指す。Obbligato R5は、AI活用と環境情報の連携を組み込みながら、ものづくり全体のデータをつなぐ基盤として展開される。