みずほ銀行、フォーティエンスコンサルティング、損害保険ジャパン、SOMPOリスクマネジメントの4社が業務提携で進める「サプライチェーン途絶リスクマネジメント支援」に、トムソン・ロイターと日立製作所が新たに加わった。4社は28日、支援領域の拡充にあたる第三弾として、両社が支援メンバーとして参画したと発表した。

この取り組みは、企業が直面する複雑な課題に対し、対応の優先順位づけや具体策の検討を支えるものだ。地政学リスクの高まりを背景に、制裁や関税といった外部環境は急速に変化しており、企業にはリアルタイムに近い情報把握が求められている。さらに、経済のグローバル化でサプライチェーンが複雑になり、リスクが潜む場所を見つけにくくなっている。

こうした状況を受け、企業の課題解決にはより幅広い専門知見が必要だとして、支援体制が拡充された。今後は6社が連携し、サプライチェーン途絶リスクの分析・評価、対策方針や目標の策定、具体施策の立案、実行までを支援する。それぞれの強みを組み合わせ、企業のリスクマネジメント高度化につなげる狙いだ。

新たに加わったトムソン・ロイターは、日次で更新される制裁・関税情報の提供基盤を活用し、外部環境の変化に対するタイムリーな対応策づくりを支える。輸出管理や関税マネジメントを踏まえた貿易業務の高度化についても、最新法規制コンテンツとSaaS×AIテクノロジーで支援する。

日立は、AIを活用したサプライヤー拠点推定技術を提供する。この技術により、サプライチェーン上の2次取引先(Tier2)以降の拠点を推定・可視化できるようになる。日立はこの技術を使い、サプライチェーン途絶リスクの可視化・分析を支援するとともに、サプライチェーンレジリエンスの高度化に向けた取り組みを加速する。

既存メンバーの役割も明確に分かれている。みずほ銀行は、企業の経営課題であるサプライチェーン途絶リスクに関する全般的なアドバイスに加え、資金管理、決済、貿易金融などの知見と関連情報を提供する。フォーティエンスは、自然災害、パンデミック、サイバー攻撃、地政学リスクなどによって、調達から生産、物流、販売に至る一連のサプライチェーンへ生じる途絶影響の分析や、対応策の検討を支援する。

損保ジャパンは、損害保険事業を通じて培った知見をもとに、サプライチェーン途絶リスクに関する企業のリスクマネジメントへ知見や関連情報を提供する。SOMPOリスクは、サプライチェーンを取り巻く多様なリスクを定量的な評価で可視化するリスクスコアリング機能を担う。

6社は、日立のAIによる拠点推定、トムソン・ロイターの制裁・関税情報、SOMPOリスクのスコアリング、フォーティエンスのサプライチェーンマネジメントコンサルティング、みずほ銀行の金融知見を組み合わせることで、災害や地政学リスクの影響を受ける可能性がある拠点について、具体的なリスク評価・分析を含む包括的な支援が可能になるとしている。

外部環境の不確実性が高まるなか、サプライチェーン途絶リスクの検討は一段と複雑になっている。6社は、異なる専門性を持つ企業が連携して対応する必要があるとし、今後はこの6社以外の領域の専門性との融合につながる新たな提携も視野に入れながら、リスク対応に直面する企業への支援を進めていく。