九州電力の子会社である九州電力送配電は6月8日、最大で延べ約1090万件分の顧客情報を保存した外部記憶媒体のソリッドステートドライブ(SSD)1台が所在不明になり、社外に漏えいしたおそれがあると発表した。同社は盗難の可能性もあるとみて福岡県警に4日に被害届を出し、受理されている。現時点で契約者情報の外部流出は確認されていない。
福岡市内で記者会見した稲月勝巳副社長は「規模が大変大きく、重く受け止め込んでいる。保管や管理に課題があった」と謝罪した。
所在不明となったSSDに保存されていた個人情報は大きく分けて2種類ある。1つ目は2016年7月~2024年1月の九州全域(大半の離島を除く)の電気供給契約計約944万件で、離島を除く九州全域の電気契約のほぼ全てに当たり、顧客の氏名や住所、使用電力量データなどが含まれる。これは実際に電力を販売する事業者に届ける仕様で保存されており、業界関係者なら読み出し方を推測できるという。また、使用電力量は30分ごとに記録されており生活パターンも推測できる。2つ目は2025年10月~26年4月に引っ越しの手続きをした計約146万件で、顧客の氏名や住所、電話番号、購入元の電力会社名などが含まれる。保存された情報は暗号化されておらず、パスワードもかかっていなかった。なお、銀行口座やクレジットカードの情報は含まれていない。
同社の一部システムではサーバーのデータ容量確保のために定期的なバックアップを行っており、今回の対象システムではバックアップ容量がひっ迫したことから一時的に外部記憶媒体を使ったバックアップを行っていた。紛失したSSDは、多重のセキュリティ対策が取られているサーバー室内のキャビネットに保存されていた。
委託先の作業員2人が4月27日午後、セキュリティ対策がされたサーバー室でデータのバックアップを取る際に使用し、その後パソコンやケーブルと一緒に室内の棚に入れた。4月27日のバックアップ作業完了時には外部記憶媒体の保管を確認していたが、5月26日午後、同じ2人が次のバックアップ作業の準備をしようとした際になくなっていることに気付いた。棚は鍵をかける取り決めがなく、施錠していなかったという。
4月27日以降、57人がサーバー室に出入りしており、社内で5月27日~6月2日に聞き取り調査や現地調査などを行ったが見つからなかった。同社では外部記憶媒体の所在確認を継続するとともに、対象の顧客に個別に連絡するとしている。
経済産業省は8日、電気事業法に基づき、事案の詳細な報告を求める「報告徴収」を実施し、7月8日までの回答を求めた。
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