2026年6月22日、国の強制隔離政策で被害を受けたハンセン病の元患者らの名誉回復と追悼のための式典が、東京・霞が関にある東京都千代田区の厚生労働省で行われた。1996年のらい予防法廃止から4月で30年となる中、元患者や家族、遺族、関係閣僚、衆参議員らが参列し、敷地内の「追悼の碑」に献花した。

ハンセン病は、らい菌による感染症で、かつてはらい病と呼ばれていた。政府は31年、すべての患者を収容して根絶させるため、癩(らい)予防法を制定した。戦後の53年にもらい予防法がつくられ、強制収容が続いたことで、元患者や家族への偏見と差別が深刻化した。

らい予防法は96年に廃止された。その後、元患者らが起こした国家賠償請求訴訟で、熊本地裁は2001年、隔離政策を違憲とする判決を示し、国の責任を認めた。6月22日は、ハンセン病の元患者への補償を定めた法律が施行された日でもある。

式典では、ハンセン病違憲国賠訴訟全国原告団協議会の竪山勲会長(77)が「私たちハンセン病元患者や家族らは、いまだに偏見と差別の渦巻く中、じっと身を潜めて生きている」と述べ、「共生社会の構築に向けて、国を挙げた取り組みの強化を求める」と訴えた。参列した元患者からも「偏見、差別の解消は何一つ実を結んでいない」との訴えがあった。

竪山勲会長(77)は日々の活動をSNSに記録しているが、「3年前、5年前のものを見ても書いていることは変わっていない」と語った。訴訟を共にした多くの仲間が鬼籍に入る中、「安らかにお眠りください」と言えない世の中であることに無念を感じているとし、「差別や偏見もない社会だったらどんなにうれしいか」と述べた。

上野賢一郎厚労相は式辞で「こうした歴史を二度と繰り返さない。偏見、差別の解消に向けた取り組みをさらに進める」と決意を示した。また、「元患者やその家族などの声をしっかりと伺いながら、関係省庁とも連携し、偏見、差別の解消に向けた取り組みをさらに進める」と述べた。

長年にわたる国の政策による元患者や家族への偏見と差別は、現在も根強く残っている。厚労省が24年に公表した全国意識調査では、4割近くの人がハンセン病に対する偏見・差別の意識を持っていると回答した。全国に13ある国立療養所には、5月1日時点で551人が入所しており、平均年齢は89・2歳となっている。